村づくりの特徴と主な事業など

特に強調したい点

村づくりとは単に所得・人口の増加を狙った「ミニ東京」を目指すのではなく、真に自分たちの力で、豊かな暮らしと地域社会を築き上げるというのが、本当の“村づくり”であると考える。

豊さの尺度は、外から与えられるものではなく自分自身の中にある。過疎地域で最も恐い問題は人口の減少ではなく、村民が自分たちの村を自分たちの力で興そうという「自立・自助」を失った「心の過疎」である。

村民主体の村づくり

飯舘村第3次総合振興計画(昭和58年策定)、飯舘村第4次総合振興計画(平成6年策定)、飯舘村第5次総合振興計画(平成16年策定)においては、村民のあらゆる階層から多くの参画によって策定をしている。

村の主要問題等についても村民の参画の機会を多く設け、いわゆる「役人の机上プラン」や民間コンサルタント任せを廃しており、特に家庭において生活の中心である青壮年や若い女性の参加に意をもちいている。各種審議会の女性の登用率は高い。

結果として、村民によって提案された施策や事業は、実行段階においても多くの村民の関わりにより実施されており、村民の村づくりに対する関心が高まっている。

地域づくり運動

飯舘村には20の行政区があり、行政区を単位とした地域づくり運動を平成2年度から実施。

第4次総合振興計画(平成7年~平成16年)では、地区の主体的な地域づくり事業に対し、1地区あたり1,000万円を限度として村が補助金を交付。

また、第5次総合振興計画では、従来の地域づくり事業(1地区あたり300万円を限度に補助金を交付)に加え、複数の地区が1つのテーマをもとに連携して取り組む事業にも1地区あたり200万円を限度に補助金を交付している。

地域づくり運動を通して、住民の郷土愛や連帯感の助長が図られることが狙い。

村づくり推進協議会

昭和58年第3次総合振興計画策定時において、村の関係機関が協調した村づくりを推進するため、村・農協・商工会・森林組合等、村内の主要な団体の代表者で構成する「村づくり推進協議会」を結成。

「新春村民のつどい」、「村まつり」等のイベントの開催を通し、村づくりの気運醸成や村民の協調性を図る役割を果たしている。

「新春村民のつどい」の中で、若者たちによるイベント「新春ホラ吹き大会」(昭和62年から平成10年まで)は、ユニークな村民発表のイベントとして村民に親しまれ、またマスコミ等にも取り上げられ全国的に知られた。

さらに、昭和63年から村民投票で選ぶ村の10大ニュースを行なっている。

村民の自主的活動

村民主体の村づくりにより、活動も活発化している。

例1いいたて夢創塾
昭和61年に村内青年が村づくりや生き方について、自由に話し合える“集まり場”として結成された。会則も会費も決めていない。この塾の暗黙のルールは「人の足を引っ張らない」ことだけ。全国的に知られた「初夢披露(拾う)会」(通称:新春ホラ吹き大会)などの発想は、夢創塾の中から生まれた。

例2若妻の翼による活動
村の若妻を対象とした海外研修事業「若妻の翼」が、平成元年から5年まで5回実施された。参加者の自主的な組織として「いいたてウィング19」、「愛リーベ’90」、「ハートinフラワー’91」、「コーネスコール’92」、「サンク・エール’93」をつくり、「若妻の翼」への参加によって得られた様々な感動等を綴った独自の本を発行したグループをはじめ、従来にはなかった女性活動が活発化しており、村のイメージアップや地域活性化に大きな役割を果たしている。

例3いいたて農の大地に生きる会
平成7年に「食」を共通テーマに、生産者と消費者の交流の会として結成された。
福島市住宅団地(南向台団地)で毎週土曜日、村の新鮮な野菜等を出張直売する「ばんかた農市」は消費者に好評を博した。(平成16年度で事業終了)

例4食を考える会
平成17年に「地域の食」に興味のある人たちが集まり結成された。
「もったいない、までい」の精神を子供たちに伝えるため、楽しく感性を磨きながら地域に広めようをモットーに、郷土料理の発掘とまめ料理の普及、そして食育を推進している。

「日本で最も美しい村」39村の中に加盟

福島県相馬郡飯舘村が「日本で最も美しい村」に、2010年に34番目に加盟になりました。

2005年10月に7つの村からスタートし、小さくても輝くオンリーワンを持つ農山村が、自らの町や村に誇りを持って自立し、将来にわたって美しい地域であり続けるために、NPO法人「日本で最も美しい村」連合(事務局 北海道美瑛町政策調整室内)が、素晴らしい地域資源を持ちながら過疎にある美しい町や村が、「日本で最も美しい村」を宣言することで自らの地域に誇りを持ち、将来にわたって美しい地域づくりを行うこと、住民によるまちづくり活動を展開することで地域の活性化を図り、地域の自立を推進すること、また、生活の営みにより作られてきた景観や環境を守り、これらを活用することで観光的付加価値を高め、地域の資源の保護と地域経済の発展に寄与することを目的として活動しています。

詳細は、「日本で最も美しい村」ホームページを御覧下さい。
https://utsukushii-mura.jp/map/iitate/

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